公演詳細
マウストラップ~ねずみとり~
アガサ・クリスティ原作世界演劇史上最長ロングラン傑作娯楽ミステリー。
ロンドンで半世紀以上ロングラン。今もなお、人々を魅了し続け、アガサ・クリスティ自身「つくづくよくできた芝居」と自賛する本作の魅力は、登場人物の愛らしさ、淡々とした人間模様の中で、事件が起こり、犯人が浮きぼりにされていく過程の見事さにあります。
個性溢れる俳優陣を得、大和田伸也が気品漂う人間ドラマ、極上のエンターテイメントに仕上げました。決して映像では観られない、演劇史上に残る名作は演劇ファン必見の舞台。
スタッフ
作 | アガサ・クリスティ |
演出 | 大和田伸也 |
翻訳 | 鳴海四郎 |
出演者
ストーリー・解説
1952年ロンドンで初日の幕を開け、世界演劇史上最長ロングランを今なお更新する、クリスティー作品の中でも特筆すべき極上娯楽ミステリー。再演は、山荘の女主人、モリー役に、ジンジャーブレッド・レディでピーターを相手に溌剌とした娘役を好演した芳本美代子を得、新鮮な作品に生まれ変わりました。毎回一部キャストを変え、一層パワーアップしていく舞台は、まさに半世紀を越えて観客を魅了し続ける本作の実力を見る思いです。単なる犯人探しというだけでなく、大胆などんでん返しの裏に人間の哀しい営みが潜んでおり、なおかつエンタティンメントとして成立している、このバランス感覚が観客を選ばない大きな要因でもあります。映画化やテレビドラマにすることはクリスティー財団が禁止しており、舞台でしか観ることのできない本作ですので演劇ファンのみならず多くの方々にご紹介したい作品です。クリスティー自身が絶賛する戯曲、シンプル且つ巧みな秀作を、若手、ベテラン、個性溢れる俳優陣を得、映画監督になりたかったという大和田伸也が、気品漂う人間ドラマに仕上げました。
第二次大戦直後、ロンドン近郊のゲストハウス「マンクスウェル山荘」の記念すべきオープンの日。
若夫婦が、客を迎える準備に追われている。あいにく外は大雪、やがて、5人の客たちが次々と到着し始める。
翌日の午後。道路は閉ざされ、山荘は完全に外界と遮断されていた。そこへバークシャー警察の部長刑事が現れる。前日ロンドンで起きた殺人事件とこの山荘に密接なつながりがあるという。
雪に閉じ込められ、電話線も切られた山荘で、人々は動揺し、疑心暗鬼に陥って、お互いを疑い始める……。
劇評
ミステリという興味深さに加えて戯曲としてもわかりやすく、計算されつくしたクリスティーの秀作。
一部キャストを変えての再演がまた良い。ロンドン同様、今度は、誰が、あの役を、どう演じるか、と見る楽しみも発見した。
単なる犯人探しの面白さだけではない、クリスティの人間をみつめる暖かさが伝わってくるところにロングランの秘密があるのだろう。
観客の興味をそらさない実に巧みな戯曲であることは言うまでもないが、俳優・大和田伸也の演出は、照明・美術・音楽へのこだわりも繊細で美しく、
ロンドン版とはまた違った味わいがある。淡路恵子の圧倒的な存在感には脱帽.
それに負けていない芳本美代子の愛らしさも印象的で、すがすがしい幕切れも見事な素敵な作品だった。
ヒストリー
★2005年7月
「マウストラップ」~ねずみとりー~
作:アガサ・クリスティー
演出:大和田伸也
翻訳:鳴海四郎
出演:戸井勝海、内海光司、芳本美代子、前田真里衣、田村 連、岩田 翼、
大門正明、淡路恵子
三百人劇場(東京)
★2007年11月
「マウストラップ」~ねずみとりー~
作:アガサ・クリスティー
演出:大和田伸也
翻訳:鳴海四郎
出演:戸井勝海、内海光司、芳本美代子、田村 連、桐山浩一、山崎美貴、
野沢 聡、淡路恵子
博品館劇場(東京)